富士山があります。 その富士に育まれた穏やかな人柄。
石に込められ引き継がれた豪快な空気感。
この庭は富士を向き、その姿を映し取り、引き込みます。
それらの素材は生成りのアースカラー、自然体で山の力を吸収します。
裾野のようなカーブを描くアプローチは優しいスロープと緩やかなステップの二つの表情で人々を迎え入れます。
自然な風合いの丸太や皮付き板を使ったフェンスは風を招き入れ、快適な空間を保ちます。
花・香り・実に彩られる庭は季節の移ろいを感じさせ、地を覆う植物や石は日々の手間を軽減してくれます。
玄関前の広場ではみんなが笑顔でお茶を飲み話をしています。
手づくりのイスやテーブル、素材感に溢れる石や木に囲まれたその空間は室内では味わえないもう一つの憩いの空間になっていくでしょう。
文:庭師 古川